□運の悪いヒポポタマス□※この歌の正式の題名は「ヒポポタマス」だけで、本当は頭に[運の悪い]はつかない。この歌の歌いだしのところが私的に強烈な印象があるため、今回はあえて「運の悪いヒポポタマス」とした。ちなみに。上記「のこいのこ大全」には、この曲はお蔵入りのため収録されていない模様。
※ヒポポタマス(Hippopotamus)とは、英語で「カバ」の事。学名がギリシャ語で「Hippopotamus amphibius」なので、そのまま英単語になっているようだ。
みなさんはこの歌、ご存知だろうか。マニアしか知らないマイナー電波迷曲と思っていたのだが、Googleで「運の悪いヒポポタマス」と検索すると2万件もヒットする。トラウマソングとして心に残っている人が多いのだろうねぇ。
この歌の特筆すべき点は、やはり歌詞だ。 →□
歌詞月曜火曜と人生順調で、水曜日にかわいいお嫁さんをもらう。が、その後、いきなり
木曜日 苦しい病気にかかり金土日で病気は重くなり、あっさり死んで、お墓に埋められる。
自分は初めてこの歌を25歳ぐらいの時に聴いたのだが、何も知らずに何気なく「木曜日」のところを聴いた瞬間、
大爆笑した。(※1)
かわいいお嫁さんに一服もられたに違いない。 あまりにも笑壷に入ったので、知人の何人かに笑わせようと思って聴かせてみたところ、意外な答えが返ってきた。
「可愛そう」
「この歌で笑うって、ひどくないか?」
え?エエエエエ!? この歌ってギャグじゃないの??? ・・・思い返すに、人の作品の題名を自分の物のようにパクる(※2)野○伸司が書いた「家なき子」の有名な台詞「同情するなら金をくれ」を、初めてTVで聞いた時も
大爆笑した。「笑える台詞だったなぁ」と思いながら、次の日、新聞の読者投稿による「家なき子」の批評文が目に付いたので読んでみたら、こう書いてあった。
「「同情するなら金をくれ」という台詞で可愛そうになって、涙が出ました」
え?エエエエエ!? あの台詞ってギャグじゃないの??? ブラックユーモア好きな自分の感覚が世間ずれしてるのは、なんとなくわかっていたが、ここまで違うとちょっと悩むなぁw。実際、この「ヒポポタマス」はポンキッキで最初TV放映されたのだが、視聴者から「可愛そう過ぎる」「子供に聴かせる歌ではない」などの批判が相次ぎ、一週間で流されなくなったそうな。その後、レコードで一度発売されたけれども、それきりどのアルバムにも収録される事は無く、お蔵入りになってしまっている。個人的には、これくらいでお蔵入りさせるのは、過剰反応しすぎな気がするぞ。
この歌詞の元ネタは、他サイトでも多く指摘されているとおり、マザー・グースの「ソロモン・グランディ」(※3)だ。人の一生を一週間に例えた傑作詩だが、どこか唯物論的で諦観な雰囲気があり、この「ヒポポタマス」も含め「子供が聴くには他の童謡と比べてどうかなぁ」と鑑(かんが)む人がいる事は、子を想う親の気持ちから考えれば、わからなくもない。
しかし、思うに真の教育とは「見てはいけない」「聴いてはいけない」ではなく、「
見ても聴いてもいいが、真似してはいけない」が本当だろう。何を見て何を聴くかは「子供を所有物のように扱う大人」ではなく、子供本人自身が決める事だ。観たり聴いたりは、子供の自由にさせてあげるべきだと思うけどね。
勿論、極度の変態的なエログロの類を故意に見せる必要はないと思うけれど、この迷曲「ヒポポタマス」はどう考えても無害だろう。この歌を聴いて人生を悲観するマせた幼児なんぞいないだろう。むしろ、カバに愛着が湧くようになっていいんじゃないかなぁ。
さて突然だが、この「ヒポポタマス」を聴いて、俺と同じように爆笑できた人にお勧めのアキ・カウリスマキ監督映画「マッチ工場の少女」を紹介しておこう。あらすじは
こちら。
この映画は「観た人は泣くか笑うかどっちかの反応をする」といわれているいわくつきの珍作だ。あらすじだけ読むと不幸の連続で確かにとても可愛そうだが、俺はこの映画を観て、勿論、
大爆笑した。「ヒポポタマス」を聴いて「可愛そう」と思った人は、この映画を観ても「可愛そう」っていうんだろうかな、多分。
確かに、人の感性は千差万別で、決して個人の批評の仕方を他人が強制する事はできないのだけれども、今回紹介した「ヒポポタマス」を聴いて、ただ「可愛そう」と思うだけの人達に、世の中には
「不幸すぎて、もはや笑うしかない」って感覚があることも、この映画を観て知って欲しいなぁ。そうしたら、きっと「ヒポポタマス」を聴き、大爆笑するマイノリティの気持ちが少しわかるかもしれんよ。
(※1)あまりにも急激に不幸に見舞われたので、その展開の激しさに笑ってしまった。いちいち書く事でもない気がするが、不幸そのものを笑ったわけではないので誤解なきよう願いたい。うまく説明しがたいが、人の「不健康自慢」を聞いて笑ってしまうようなものだ。
(※2)野○伸司は「人間失格」という題でシナリオを書いたら、太宰治の遺族からクレームがきたので、題名に・をつけて「人間・失格」にした。
ほとんど同じじゃねーかよw(※3)「ソロモン・グランティ」の詩歌は
こちら。
□wiki「
カバ」
□wiki「
のこいのこ」
□wiki「
マザー・グース」
□wiki「
唯物論」
□wiki「
アキ・カウリスマキ」
テーマ:Youtube - ジャンル:サブカル
- 2007/10/18(木) 03:56:13|
- 電波迷曲
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